今日もクライアントにセッションをさせていただいた。
以前書いた【「心理療法をどう使い分けるのか」という問いにどう応えるか】に関して、些細な気付きを残しておきたい。
そのジャーナルに書いたことだが、
実際、私自身のセッションの体験を通じても、認知行動療法1つとって、それはカウンセリングをするにあたっては、すごく実践的だと思う反面、認知再構成法、行動活性化法、問題解決技法などは、トランスパーソナルな段階ではないパーソナルな段階で有効であって、パーソナル段階の人には最適なセラピー出ないように思う。
認知行動療法といっても広いものがあり、今日はACTを実践して感じたことを残しておきたい。
改めてだが、ACTは6つのコアプロセスを提唱しているわけだが、さらに簡略すると次のような公式がいえる。
ACT=マインドフルネス+価値観+行動
説明するならば、
マインドフルネス=今囚われていることに気付き、受容して、今に集中する
価値観+行動=大切だと思うことをする
ということ。
これがパーソナルの段階までで、トランスパーソナルな段階では最適でないと言っているのは、トランスパーソナルな段階はすでに個が確立されており、個の確立の過程で、自己の価値観に気付き、それを忠実に行動できるようになり、何かぶれて自己が不一致したときにも、マインドフルネスですぐに自己一致に戻れるため、いわばセルフでACTができると説明できるのだと思う。
だが、これも1つの簡易な説明にすぎない。
今日クライアントとのセッションで感じたことだが、今日のクライアントは、明らかに発達段階は高く、とはいえ第二層に位置しているが、ACTはとても有効に思えた。
それは、スパイラルダイナミクスが伝えてくれているように、段階というのは網み目であってブレンドなのであるから、その個人の瞬間瞬間は多様なものであるし、意識状態も多様なものにある。
そのため、誰であっても受容(アクセプタンス)が必要なときもあるし、価値観を再確認してコミットすることが必要なときもある。
そんなことを感じた。
私は何が「心理療法をどう使い分けるのか」という問い自体に答えるとき、その大半は一面でしか説明できておらず、健全な位置づけができず危険が伴う。
それでも、そのことを理解した上で、点が線に、線が面に、面が立体になっていくように、小さな気付きを積み重ねていきたい。
2021年5月8日の日記より
2021年5月10日