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日記「あじわい」

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差異化と分離の違いを考慮した対人支援#368

先ほど、「インテグラル心理学」の読書会が終わった。

P394から展開される「進化に関する5つの原則」は非常に重要な示唆をくれている。

その中でも、原則2にある「差異化と分離を区別すること」を対人支援に引き寄せてみたい。

まず、差異化と分離の違いについて、次のように分かりやすく書かれてある。

例えば、人間の領域について言えば、心と身体を差異化する(区別する)ことと、心と身体を分離する(切り離す)ことは、全く異なることである。

同様に、文化と自然を差異化することと、文化と自然を分離することも、全く異なることである。

言い換えれば、差異化とは統合への入り口であるのに対して、分離とは、悲劇への入り口なのである。

人間の存在そのものの捉え方

対人支援においては、まず人間の存在そのものをどのように捉えているのか。

これがいかに、差異化され統合的に捉えられているか。

(=「統合的ー非視点的(integral-aperspectival)=多数の視点をもちながら、どのような単一の視点も特権化されず、統合的な真実をとらえる」)

たとえば、トラウマは身体側にも密接に関わっているにも関わらず、心と身体が分離されたものという認知でいれば、真に深いトラウマの解消は難しくなる。

魂がないがしろにされれば、自然と人間の潜在的な可能性は限定されることとなる。

インテグラルな支援

インテグラル理論をサイコセラピーに応用したマークフォーマン先生のインテグラルサイコセラピーで書かれてある支援は、まさにこういった分離ではなく差異化の支援を大切にしている。

コーチ、カウンセラーにおいても、私を含め、多くの支援者がなにかしらの理論、専門知でもってクライアントを捉え、なにかしらの専門知でもって支援することは、気付かぬうちに分離した状態で支援していることになっている。

これは対人支援業界の致命的な問題に思う。

真にインテグラルな支援をするには、人間の存在そのものを差異化することはもちろんのこと、心理学の各理論、各サイコセラピーそのものも差異化しなければ、難しいだろう。

私の探求も、この問題意識から進めたい。

それは、人間、引いて言えば生命そのものへの大いなる尊厳の態度である。

2021年12月22日の日記より

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