言葉とは、暗闇の中にライトを持ち、1つの光を当てるようなものである。
ライトの光は、すでにそこにあったものを照らし出す。
それは確かなものとして、我々に感じさせてくれる。
確かなものではあるが、部分にすぎないのだ。
見渡せば、決して照らすことのできない、どこまでも続く暗闇があろう。
言葉とは、朝日を前にカメラを持ち、スナップショットを撮るようなものである。カメラは、そこにある瞬間を写し出す。
それは確かなものとして、我々に感じさせてくれる。
確かなものではあるが、部分にすぎないのだ。
目の前には、決して瞬間では捉えることのできない、揺れ動き続ける美しい朝日が輝いておろう。
言葉の奥にコトバ宿る。
親愛なる井筒先生へ
2022年2月8日の自由詩#3より