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日記「あじわい」

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ハリール・ジブラーン「預言者」と映画「預言者」に触れて#407

4月8日、時刻は23時。

水曜日から熱が出ていたのも、今朝起きると回復しており、まるで自分の身体じゃないほど、身体が元気で頭もさえていた。

身体が元気なことがこんなにも心地よいのかと、喜びに満ちいていた。

さて、今日はハリール・ジブラーンについて。

我が人生において、大きな影響を与えた詩人トップ5には間違いなく入る。

その時その時、読むたび読むたびに、感動を新たにする。

今日、そのハリール・ジブラーンの「預言者」が、ライオンキングの監督におよって映画化しているとのことで、映画を拝見した。

本当に素晴らしい映画だった。

書籍とストーリー自体は似ている部分があるものの、異なった設定になっており、より広く私たちにわかりやすくなっていた。

むしろ最後のシーンは、書籍と似ているものの、よりわかりやすく、心に響くようになっている。

ああ、このような生き方でありたいと、静かに熱く思った。

そして、作中、「預言者」にある数々の詩がいくつか紹介される。

それも音楽が流れ、映像もついた素晴らしい歌となって。

この映像のおかげで、私も詩の受け取り方が以前より、豊かになったように思う。

ハリール・ジブラーンの詩は、インテグラル理論でいえば、第三層の世界観を体現している。

こういった詩を読み、彼らの世界観に触れること自体が、大きな治癒や変容や発達に寄与すると本当に思う。

私自身、到底体現できてはいないものの、まずは頭の中だけでも、そうか、こういう発想なのかと、ミクロな発達が起きているように思う。

改めて、「預言者」の目次を並べてみる。

船の訪れ

愛について
結婚について
子どもについて
施しについて
飲食について
労働について
喜びと悲しみについて
家について
着物について
売買について
罪と罰について
法律について
自由について
理性と情熱について
苦しみについて
自分を知るということについて
教えるということについて
友情について
語るということについて
時について
善と悪について
祈りについて
快楽について
美について
宗教について
死について

別れ

改めてこう眺めると、人間にとって重要な項目がこれほど網羅的に語っていることに驚嘆する。

すべてを読まなくとも、人それぞれ、今の関心のある詩だけでも是非触れてほしいと思うし、私も大事な人の大事な時に、詩を贈りたいと思う。

せっかくなので、何か1つ、今の私にとって重要な詩を残しておきたい。

ここ数ヶ月、井筒俊彦やジョアンナ、若松英輔さん、神谷美恵子さんの書籍を通じて、悲哀、悲愛というものを自身のテーマにしてきた。

私自身の生き様とともに。

世界の悲愛を感じて、言祝ぐこと#405

 

そして、ハリール・ジブラーンも、まさに同様のことが書かれてあることに喜びを感じた。

「喜びと悲しみについて」

あなたの喜びは、悲しみの素顔。
笑いの込みあげてくる井戸は、しばしば涙で溢れています。
そういうことなのです。

悲しみがあなたの存在をえぐれば、えぐられたところにそれだけの喜びをたくわえることができます。

あなたが葡萄酒を受ける杯は、まさに陶工のかまどで焼かれたあの杯ではありませんか?
あなたの心を慰める楽器、リュートは、もとは小刀でくり抜かれたあの木ではありませんか?

嬉しいときには、自分の心の奥をのぞき込んでごらんなさい。すると見つけるに違いありません。かつては悲しみの原因になっていたものが、今は喜びの原因になっているのを。

悲しくて仕方のないときも、心の奥をのぞき込んでごらんなさい。すると気づくにちがいありません。かつては喜びであったことのために、今は泣いているのだ、と。

あなたがたの誰かが言います。「喜びは悲しみに勝る」と。すると或るひとが言います。「いや、悲しみの方こそ」と。
しかし私は言います。喜びも悲しみも分けることは出来ません。
両方とも連れそって来て、一方があなたと食卓についているとき、忘れてはなりません。もう一方はあなたの床に眠って待っているのです。

まことにあなたは秤(はかり)のようです。悲しみと喜びのあいだに懸(か)かっていて、空のときだけ静止し、平衡をたもちます。
宝の持ち主が、自分の金と銀を量(はか)ろうとあなたを持ち上げるとき、あなたの喜びと悲しみも上がり下りせざるを得ないのです。

喜びも悲しみも分つことができぬものとして、両方連れ添って生きていきたい。

ハリール・ジブラーンの詩はとても広く、深い。

今の私では、よくわからないものもある。

しかし、それは楽しみである。

私の意識の深まりとともに、この詩の深淵を感じ取れる日がくることがいつか訪れるかもしれないことが。

かつては聴こえなかった声が、聴こえるようになったように。

2022年4月8日の日記より

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