以前、加藤洋平さんが「無人島に持っていくならどの本を持っていきますか?」と問われて、ものすごく難問に感じたが、すごくその人の思想そのもの、人柄そのものがにじみ出る問いだなと思った。
私的に、
・好きな本ベスト3
・好きな映画ベスト3
・好きな漫画ベスト3
・好きなアニメベスト3
・好きな曲ベスト3
・好きなゲームベスト3
もうこのあたりは、話すだけで丸3日は語り合えるのではないかと思う。笑
なんだろう、どの分野かはその人の好きな分野になるのだが、その分野で3つに絞れと言われると、その人にとってコアなものや、今大事にしたいことがにじみ出る。
相互紹介のときに試してみたい。笑
私の好きな本ベスト3はなんだろうか。
いや〜本当に難しい。
本棚をみるが、ここに置いていないものでもある気がする・・・
決めきれない・・・笑
まじで決めきれない・・・。
何か抜けてる感がものすごくある。
ゆえに、これからこの難問を頭の片隅において過ごしてみたい。笑
とりあえず、今無理やりでも、好きな本ベスト3を出してみる。
CONTENTS
好きな本ベスト3
・進化の構造(ケン・ウィルバー)
・夜と霧(ヴィクトール・フランクル)
・愛するということ(エーリッヒ・フロム)
1〜3位の順序はおいておいて、この3つだろうか。
3冊あげてみて感じること
今書いてみて、めっちゃ好き〜って思いながらも、どうもメジャーな本だなと若干嫌がる自分もいる。笑
いやそもそもメジャーか?何をもってメジャーと言ってる?笑
仮にメジャーだとしたら、それをどうして嫌がっているのかというと、どうも
・マニアックな人だと思われたい。
・奥深い人だと思われたい。
とか思っているからだろう。笑
誰に?笑
仮に、もし思われているとすれば・・・、うん、それでもこの3冊をあげたいと思える。
それから、どの本をチョイスするかで感じたことだが、これは「価値観」とよく似ていて、どうやら相対的な評価のように思う。
つまり、今自分がおかれている環境や役割、自身の発達段階や意識状態などに影響を受けて選ばれたものであって、私の状況によって、変わり続けるものに思う。
一方で、変わらないもの、あるいは自分の根底にあるものもあるのではないか。相対的なものではなく、絶対的な評価なるものがもしあるのであれば、何なのだろうか?
こんなふうにも思う。
これを感じているからこそ、なおのこと悩んでいるように思う。
そして、それはたった3冊で表現できるわけがないとも思う。
それほど、1人の人間というものがどれほど美しく、豊かなものかを物語っている。
とはいえ、先ほどあげた3冊を改めてみると、私の思想の全部ではないが一部になっているのは間違いないように思う。
どうしてこの3冊なの?というその思いが大切だと思うので、とりあえず、それぞれの理由を簡潔に綴ってみたい。(簡潔なんかい)
「夜と霧」が好きな理由
そもそも、私は幼いときからなのだが、ホロコースト関係に関心が高い。
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」、「ハンナ・アーレント」、本でも「アンネの日記」などなど。
その理由を述べると簡潔でなくなるのと、どうして夜と霧が好きなのかに応えるにあたってはコアではないように思うので、コアに応えるならなんだろうか。
おそらく「生きる意味」ということをダイレクトに扱う実存主義の哲学そのものが好きだからだろうか。
特に、私がベンチャーで苦労をした葛藤の末、まさに自分の生きる意味を見失い、ジョブレスにいた時に再会したときの衝撃があって、この文脈に尽きる。
衝撃的だったのは、フランクルの問いかけを180度を変えなさいということ。
私が人生に何かを期待するのではなく、人生そのものが自分を通じてどうしたがっているのか。
この主体を反転させる問いかけは、私にとって自我に囚われていた自分を解放する問いかけになった。
そこから私のジョブレスが好転していったように思うし、今の自分が仕事が形成されたように思う。
「進化の構造」が好きな理由
これも、ジョブレスのときに初めて出会った本だった。
なんだろうか。
わりと個人の内面に関心を寄せていたために、心理学書や、哲学の中でも内面に関わることを多く読んでいたのだが、自己ではなく、世界そのものへの目を向けなくてはいけないことを感じていた。
それこそ、ハラリやジャレド・ダイアモンドなどの書籍を読んでいたりしたわけだ。
そのとき思っていたことは、
「自分の幸福は幻想なのではないか?」
「自分の幸福を追求だけではなく、人間が幸福に値する存在を追求すべきではないか?」
という問いが残っており、
自分の中に
「自分の幸福と社会の幸福は実現するものなのだろうか?」
という葛藤があった。
そのとき、私は初めてインテグラル理論に触れて、暗闇の中にいる私にとって希望の光のように思えた。
人のみならず、組織や社会システムそのものも、発達するという概念が私の中に入った。
そして、その組織や社会システムそのものも、すべてではないが、多くは人間の産物なのであって、それをつくる人間の意識そのものを成熟(発達)していけば、実現できるのではないかと思った。
これこそ、私がインテグラル理論に傾倒し、今の私や私の仕事がある。
こう書くと、このジョブレスの期間が今の私にとってどれほど重要な期間だったかを改めて感じる。
「愛するということ」が好きな理由
いや〜なんでしょうねこれは。
とりあえず、すごく色んなものと通じるところが多い。
これもジョブレスのときだが、当時「承認欲求を手放す」ということに随分長く向き合っていて、アドラー心理学、贈与論辺りを通じて腹落ちしていった感じがあった。
いやちょっと枝葉かもしれない。
でもアドラー心理学にのめり込み、そこで語られている「共同体感覚」という重要な概念、
それから先ほどいった「承認欲求」、「贈与」論。
さらにはインテグラル理論で出てくる「発達」や「ホロン」という概念。
このあたりが「愛」というものを軸に見事に語られた感じがあった。
人の内面だの、社会のシステムだの壮大で複雑なものを言っておきながら、自分が目の前でできることは、ただただ目の前の現象を愛する(=息づくものを差し出す)ことではないかと思った。
フロム自体が、戦争をなくしたいために「愛」に着目したのと同じように、
私自身も1人の人間として、目の前の現実と向き合うならば、ただただ自分に息づくものを差し出していくことではないか、それが重要なのではないかと、地に足がつくことができた書籍だったように思う。
私がこの日記(リフレクション・ジャーナル)を公開することもそうであるし、日記の中でよく「息づくもの」と表現するのも、この書籍の影響だろう。
改めて書きながらこの問いは面白い。
出会う方に、ぜひ好きな分野でベスト3を聴いてみたい。
2021年6月17日の日記