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日記「あじわい」

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時刻は23:45。

21時前に、大事な友がものすごく苦しんでいるのではないかと思い、電話してみた。

私のスケジュールがパンパンで、わずか15分の電話だった。

それでも、話せて良かったように思う。

実は俺が泣けた。

どれだけ忙しかろうが、たった15分でいい。電話をかけて関心を寄せる。

これが、どれほど嬉しいことか。

今思うと、俺は、彼の苦しみを自分のように感じていたように思う。

だから彼に癒やしが起き、それは同時に俺にも癒やしが起きた。

いや、厳密には彼自身は苦しみを抱えたままである。

それ自体は、他者の支援を受けながらも、本質的には自分自身が向き合ってこそ超えていけるものである。

ゆえに、私がしたことは、ほんの些細なことだろう。

コーチングやカウンセリングというのも、実は人間の本質的な治癒や発達という観点においては、同じことが言えると思う。

なんて些細なことなのだと思う。

それでも、それでも、この関わりが大事なのだいう価値観を俺は抱いている。

これがどれほどのパワーになるか。

ささいな電話一本だったかもしれないけど、俺にとってはこれが何より自分の大切にしたいことだったと、今書きながら改めて思う。

2021年8月9日の日記より

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