時刻は20時。
今日はとてもとても重要なMTGだった。
時間は、13時から18時半まで、5時間半かけたが、久しぶりに心地よい疲労感がある。
このMTG自体は、これまで2年間を振り返り、今後の指針を決める重要なMTGだった。
内容はもちろん公表できないのだが、「場としての醸成」という観点1点に絞り、抽象化して、何のMTGが特定できぬよう配慮して、感じたことを残しておきたい。
CONTENTS
話し方と聞き方の4段階
今日の場の醸成は、まさに学習する組織にある「話し方と聞き方の4段階」という切り口で整理できるように思っている。
この流れにそって、どう振る舞うのか、振り返ってみたい。特にレベル4に至るポイント。
レベル1 礼儀的な会話
まずこの段階は、丁寧に話す人が多い。
互いにまだよく知らないため恐れており、ややよそよそしく話したり、突っ込んだ話が起きにくい。
聞き手も、過去のパターンから予測してしまい、先入観が強くなる。
今日のMTGにおいては、尊敬し合うメンバーで、このあたりは問題なく、レベル2へ移行した。
ダイアログや心理的安全性という言葉が浸透したことも大きいように思う。
もちろん世の中的にはこういったMTGもまだ多いかもしれない。
こういう場合は、関係性を築くことが重要であるし、誰かが殻をやぶって、率直に自分の意見をいう必要がある。
レベル2 討論(ディベート)
次に訪れる状態は、討論。
なにかの意見に対して、賛成か反対か、その根拠は何か、こういった意見の衝突も起こる話し合いになる。
互いが主張して、意見の不一致もよしとする。
意見が不一致の場合、論理的な話だけでは、平行線になる場合がある。
そこで、視座が転換して、ダイアログになる。
レベル3 内省的な対話(ダイアログ)
この状態では、たとえ意見の違う相手であっても、一旦自分を横において、その人の立場になって、共感的な聞き方ができるようになる話し合いが起こる。
「この人の言っていることの背景や想いは何なのだろう?」
と関心をもって質問するし、話し手側も、内省するような状態になる。
感情も汲み取れるようになるし、この人の想いは、もっともっと深いところにあるのではないだろうかと探索し合うことができる。
その結果、自分の意見も柔軟に変えることも起こる。
レベル2とレベル3の行き来について
この4段階について、オットーはU理論になぞって話をしているが、私が関わる組織の多くは、ダイアログが標準になっていることが多い。
ただ、何をもってダイアログ、ディベートと定義するかによるのだが、これらは双方に固有の価値がある。
ゆえに、すべての会話がダイアログであるべきではない。
1対1の会話においても、すべてがコーチングではなく、時に自分の意見をはっきり述べることも重要なように、この点は押さえておきたい。
その意味で、実際には、使い分けて行き来することが大事だろう。
レベル2からレベル3の移行ポイント1
また、2から3への移行は、同じメンバーであれ話すテーマによっても難しくなる。
特に、成功体験をつめばつむほど、自分の成功してきた内容や専門領域、こだわりの価値観・信念があるところは、自分の意見が正しいという前提をおいていることになかなか気づけない。
このとき重要なポイントは、自分の意見と自分を切り分けることである。
まるで自分の意見が反対されると、自分自身が否定されたかのように感じてしまう人がいる。
この点は、こういったことを感じ取ったら、その場でこういったことを口に出し、安心感を与えることも重要になる。
レベル2からレベル3の移行ポイント2
今日のMTGで感じたことだが、徹底的に意見を出し切ることもレベル3に移行のポイントに感じた。
こんなに根拠もセットで話をしているのに、なぜ意見が擦り合わない。
もっと何かあるのではないだろうか?
なんか気持ちこもってない感じがする。
こんなところが、レベル3への入り口があるように感じた。
レベル4 生成的な対話(プレゼンシング・フロー状態)
レベル3のダイアログは、それぞれがたつ前提が異なることを理解し、相手への共感をもって話すことだった。
レベル4では、自分も他者も相互につながりあっている全体の一部という前提ができ、自分の立場にとらわれることはなくなり、境界のない状態になる。
その結果、話し方は生成的になり、場全体を代表する話ができるようなる。
ゆえに、今までになかったような創発的なアイデアがうまれる。
【本題】レベル4への移行ポイント1
さて、長くなったがいよいよ本題。(前置き長。笑)
このレベル4への移行が何よりも難しい。
しかも書籍でもあまり書かれていない。
このあたりを、言語化してみたい。もちろんいくつかあるし、ぱっと今この瞬間思うことを残しておきたい。
まずなんといっても、これは意識して入るものではない。
自然と起こることである。
徹底的にレベル3のダイアログができた結果、自然となるのである。
その意味でいうと、実はまず深いダイアログになるために、必要なスキル(傾聴力など)は、必須になる。
【本題】レベル4への移行ポイント2
そして、自然に起こるというのは、それはどういうことかというと、「葛藤」が起こる。
本当に深くダイアログができた結果、もはや自分の中に、当初はなかった他者の想いも、自分の想いになっている。
それが相反するゆえに葛藤が起こる。
これが境界がないという現象である。
まずこれが押さえておかないといけない入り口になる。
【本題】レベル4への移行ポイント3
さて、そのうえで、時間の確保。笑
というのも、この葛藤状態になると、どうすればわからなくなるため、沈黙が起こる。
この沈黙がめちゃくちゃ重要になる。
ゆえに、時間が決まっている、後にスケジュールが入っているMTGにおいてはまず起きない。笑
すぐにレベル2の討論にもどって決まってしまう。
【本題】レベル4への移行ポイント4
そして、これもやや前提の話になるが、レベル4の一体感のためには、環境もめちゃくちゃ重要。
最近はオンラインとリアルのハイブリッドでMTGすることもあるが、これだと一体感が生まれにくい。
そもそもレベル3のダイアログも深くなりにくい場合もある。
全員オンラインでいけるか?という点に関しては、このあたりは人によって集中できる環境が違う。
私の経験上は、いけるメンバーもある。
し、人だけじゃなくて、その日の身体の状態もある。
ゆえに多くが、役員合宿をしているように、時間も環境も良い環境下ではなりやすい。
【本題】レベル4への移行ポイント5
さてさて、いよいよここから。(何回言う笑。)
上記4をあったとしても、難しい。。。
このとき、ポイントになるのは、主語を変えることにあると思う。
「今までの話をきいて自分がどうしたいか?」
ではなく、
「この場は、自分を通じてどうしたがっているのか?」
という主語が転換される。
ビジョンクエストでは、私がビジョンをつかもうとするのではなく、ビジョンが私達を迎えに来てくれる。
それに向けて、ただ待つ。
これに非常に近い。
このただ待つというのも、待つだけではなく、より厳密にいうと、主語が転換していることが重要に思う。
レベル4は、自然に起こるといった意味では、こういうポイントを意識することと相反するように思われるかもしれないが、普段からこういった主語を自己や他者を超越したものにもつというトレーニングを積んでいる、そういったことに耳をすませることができる力、こういうのはかなり重要なのではないかと思う。
MTGにおいても、個人の集まりゆえに、個人としてU理論でプレゼンシングまで深くいけるからこそMTGにおいても起こりやすい。
MTGでプレゼンシングにいたるのは、個人単体でプレゼンシングにいけることは必須条件ではないが、起こりやすいのは間違いない。
発達理論で語るならば、ビルがアクションロジックでいっているように、発達段階も影響がある。
そしてインテグラル理論でいう意識状態も影響がある。
こんなことが言えるのではないだろうか。
今日のMTGに戻せば、5時間半用意したにも関わらず、時間がなく、プレゼンシングに入ったか入ってないかくらいで終わってしまったように思う。
が、このメンバーでここまでの場になったことが、私はなにより嬉しい。
これからもこのメンバーを心から大事にしたい。
2021年某日の日記より