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日記「あじわい」

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河瀨さんの東大入学式の祝辞を聴いて#409

4月13日、22時。

今しがた、今日の予定が落ち着いたこともあり、
YeLLのSlackを見ていると、仲間が、東大の入学祝辞をシェアしていたのを拝見した。

祝辞を述べるのは、映画監督の河瀬直美さん。
河瀬さんは、とても好き映画監督なので、すぐさま読み始めた。

祝辞ということで、声に出して、自分の耳で聞いた。

音読していると、徐々に座っている足が震え、声が震え、魂が震え、なぜか涙が込み上げてきた。

読み終えた後、ふたたび、みたびと、読み返しても、感動を新たにする。

自分が人生を生ききったとしても、学生たちにこれほどの言葉を贈れるだろうか。ことほぐことができるのだろうか。

これほど心を揺り動かす人がいたのかと思うだけで、私の心はとても満たされてゆく。。。

しかし、どうしてこの言葉たち(祝辞)が、私の心をここまで震わせてくれるのだろうか。

この震えは、私に何を伝えようとしてくれるのだろうか。

万感の思いのままに、静かに内観する。

すると、私は特に震える言葉があることに気づきます。

それは、最後の方にある文章

「私があなたと同じ歳の頃、養母である「おばあちゃん」を撮っているとどうしようもなく彼女に触れてみたくなりました。」

と続く、文章だった。
この文章といい、いろんな詩に触れて、感動する。

それらの言葉は、とても日常的なこと。
とてもよくみる風景のこと。
この、とても素朴なことの中に、壮大なものが、真理が潜んでいることを、たしかなものとして感じさせてくれる。

そう。
私は、それを感じたいのです。

私の今ある、とても身近なこと、とても素朴な経験を、この日常を、とてもとても大切にしたいのです。

そして、今そばにいる、母や父や祖母を、抱きしめたいと思うのです。

「当たり前に思っていることの奥に「ものの真理」が隠されていることを信じて、突き進んでください。きっとこの先その真理に出会った時、世界に「名前」があることに感動を覚えるはずです。」

そう。
名前は、ここにある世界を抽出しているんじゃなくて、逆なんだ。
名前が世界を創出してる。

私の心は、いや私の魂は、この世界を味わいたい。
この世界の美しさと愛に触れたい。

戦争や自然破壊の現実からくる止まぬ悲痛を感じる度に、とても美しいなど愛など容易に言えない。

それでも、この世界の深みは、自分の意識の深まりともに、深まっていく。私はその深淵に触れたい。
そして、この世界が慈しみでできていると信じたい。

そのことを、大切にしたい。
この震えは、それを伝えてくれたのではないかと思った。

今日、ふと、この祝辞に触れられたこと。
そして、そのきっかけは、この仲間、YeLLであることも忘れず、感謝を捧げます。

2022年4月13日の日記より

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