昨日に続き、ヘーゲルの「精神現象学」を読んだ。
改めてヘーゲルの精神現象学で述べられていることは今で言う心理学の領域の話をしている。
心理学の中でもより根本にある論点は、哲学の領域と重なることをここでも感じた。
本書で、自我のことを「自己意識」と形容しており、自己意識は
・承認されたい
・自由にいきたい
という相反する2つの欲求があると述べられている。
自由というのは、本質的に苦しいものであるという、サルトルの「自由の刑」という言葉や、フロムの著書「自由からの逃走」で述べている自由とほぼ同じ内容。
承認という言葉には、それこそ発達度合いによって色んな意味がある。
大きくは次の2点だろうか。
・自己価値への欲求
・社会とのつながり
この2つは、言葉を変えると、発達する度に、AとBのアウフヘーベンを起こし続けると言える。
A)自由、解放、個別性
を求める度に、社会的な存在のため、孤独感、疎外感を感じてしまい、
B)承認、つながり、普遍性
を求める。
進化のメカニズムは弁証法のように起こるが、統合されうるものは様々であるが、一貫して葛藤するテーマに、自由とつながりがあるように思う。
2021年9月12日の日記より