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日記「あじわい」

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コーチングを磨くために文字起こしという修行#70

自分のコーチングスキルを磨くために、とあるセッションを文字起こしした。

グーグルスプレッドシートを用意し書いていく。
要約省略はせず、言い方もそのまま、相槌も含めてすべて記載していく。

また、その上で、
・時間記載
・それぞれの質問の意図
・その時の自分の心境
・そのセッションの良かったこと
・改善点
を記入する。

さらに、テイク2をするとしたらというスクリプトも書く。

テイク2のクライアントの回答は、もはや私の妄想だが、これもある種、共感的理解を磨くために有効な取り組みとなる。

ここまでやって、30分のセッションに対して、10時間もかかった。

いや、たった10時間しかかからなかったと言えるかもしれない。

自分のコーチングを振り返る際に、単純に動画を見返すことで振り返る。

だが、ここまで文字起こしやテイク2のトークスクリプトを記載すると、動画を見返す振返りとは次元の違うリフレクションであることに気付かされる。

いくつもあるのだが、印象的だったことを残していきたい。

(1)気付く性質と量が異なる

まず動画の振り返りでは気付かなかったことが多い。

たとえば、私でいうと、相槌が気になった。うんうん言い過ぎではないかと。

動画でも感じれたかも知れないが、流れるように進むため見逃す。
文字起こしはそんな部分も流さず言語化する。そうすると、この些細な相槌にさえ、違和感があることに気付く。

私の中で、おもしろい気付きもいくつかあった。

1つ目は、「いいですね〜」という口癖。
それは魅力的なのだが、文脈的によっては不自然なものもあった。

クライアントではなく、自分のために言いきかせているような側面があることに気がつく。

2つ目は、笑わなくていいところで笑っている自分がいる。これは自分のシャドーだろう。

私の幼い頃からの癖なんだろう。
何か空気が悪くなった時、自分に分が悪いと感じた時に、誤魔化そうと無意識に笑ってやり過ごす反応があるようだ。

この気付きは私にとって深いシャドーになりそうで、また別途ゆっくりとりあげたい。

こう思うと、文字起こしは、宝の宝庫である。

(2)具体的に検討できる

テイク2やる場合も、文字起こしとこれまでの発見を踏まえた上で、トークスクリプトを書いていくため、具体的に検討できる。

普段なら、次からこうしようとざっくり掴むが、実際具体的に記載していくことで、ちょっとした違和感が出てきて、さらに深い探求が始まり、しっくりくるものを探し出せる。

ここまでして、ようやく次の実践に落とし込める感覚がつかめる。

また、今回はクライアント役だった方と、このスクリプトをもとに対話させていただいた(クライアントには感謝しきれないほど感謝している)のだが、具体的に文字があることで、2人の対話がブレることなく、共通認識のもと具体的に話すことができ、このレベルの対話はここまでしないと生まれないものだと感じた。

(3)自己と徹底的に向き合う

そして、毎度動画を振り返ることに抵抗を示していた自分だが、文字に起こすというのは、動画を振り返る以上に自己と向き合わなければならない。

文字を起こす作業の中に、私の中で雑念がいくつも思い浮かぶ。
「どうして自分はこんな質問をしてるんだ」と見るに堪えないと思う。

何度もその気持ちがありながらも、自分で呼吸をして整えていく。

昔から僧侶の修行のひとつとして写経があったが、私にとっても、この文字起こしそのものが、自己と向き合う貴重な修行である。

毎セッションはできないが、これを愚直に続けていきたい。

2021年2月18日の日記より
2021年2月22日

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