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日記「あじわい」

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ホテルで出会ったとある高校生#285

時刻は23時45分。

鎌倉から朝イチ東京へ移動してきた。

21時ころ、ホテルにつき、ラウンジで仕事をしていると、目の前の若い男性がこちらを見ていた。

しばらくいて、何か話したそうな気配を感じ取り、話しかけてみた。

すると、高校生だった。

石川県から1人で、夜行バスで今朝東京にきたらしい。

「どうしてきたの?」

「田舎が嫌で、早く都会に行ってみたかった」

いつ帰るかは決めてないらしい。

日本とはいえ、旅での出会い。素敵じゃない。

話していると、うつ病を抱えていること、人が怖いこと、色んなことをを打ち明けてくれた。

年齢的には大学生のはずだが、通信制なので、自由にしているとのこと。

「これから人生どう生きていきたいの?」

と聴くと、

「勉強したい。」

「どうして?」

「自分、やりたいことがあるんです。電気機器のものづくりがしたいんです。」

と返ってきた。

面白くなって、もっと話を聴いてみたくなって、気付けば1時間以上話ししていた。

私の人生にも興味をもってくれ、たくさん話しした。

高校生「(あたしの人生を聴いて)えー!行動力、半端ないですね。」

阿世賀「あなたも石川から何も計画たてず、東京くるなんて、相当な行動力だと思うよ。笑」

ほんと楽しい時間だった。

深く分かち合えたが、なんとなく、あえてお互い名前も連絡先もわからないまま去った。

彼にとってどんな時間だっただろうか。

わからないが、言葉には現れないのものの、何か彼にとってエネルギーが溢れてくる時間だったように思う。

私にとっても、それは同様。

見ず知らずの人と、短い時間、短い言葉だったけど、これだけの深く繋がれた感覚をもてたことが何より嬉しい。

同じような志や世界観を持つ者同士の共鳴はわかる。

だが、相手が高校生という全く異なる世界観で生きている者同士でも、ここまで分かち合えた。それが嬉しい。

どうして嬉しいのかは、私自身の関心が、今自分がどこまで共同体感覚を広げていけるのか、どこまでの世界を自分ごととのように感じられるのだろうか、どこまでつながりを取り戻せているのか、そんなところにあるからだろう。

小さい日本とはいえ。

名前も連絡先も聞かなかったし言わなかったのは、どこかこれを互いの贈与にしておきたいという思いがあったのかもしれない。

今こうやって1人静かに彼との時間を思い出しながらジャーナリングをして思う。間違いない、彼の人生は、輝きに満ちている。

2021年9月25日の日記より

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