ついに決行する時が来た。
2ヶ月前、加藤洋平さんとのコーチングで、認識そのものを広げるために、もっと幅広い本と映画に触れたいとお話した。
すると、加藤さんから提案いただいた。
「本屋を一度端から端まで見てみるのはいかがでしょうか?そこで気になったものを読んでみるわけです」
私は普段週に1回は本屋へ行き、1回あたり2〜3時間ほどいる。
リベラルアーツを大切にしているため、そこそこ色んなコーナーに足を運んでいるし、コーナーからコーナーへ移動する際、ふと出会う本に足をとめることもある。
それなりに読む本の幅を広げてきたつもりだが、隅から隅まで見たことはない。
直感で何かありそうだなと思って、加藤さんへぜひやりますと返事をした。
そして今日がその日。結果7時間、本屋にいた。(笑)
別にそこまで時間かけなくてもいいだろうし、1日で済ますものでもない。
だが、なんとなく、1度1日かけてじっくりやりたかったのだ。
今日はその本屋での思考や気持ちの移り変わりと、終わった今の感覚を忘れないためにここに残しておきたい。
舞台は、お気に入りの本屋。大阪梅田にある、MARUZEN&ジュンク堂書店。
東京都内で一番大きい池袋のジュンク堂書店以上に、この本屋の方が大きい感覚があったので、自宅から本屋までの道中、調べてみた。
正確な情報は見つけられなかったが、知恵袋をみると、純粋な本売り場でみると、大阪のジュンク堂は2100坪、在庫200万冊でどうも日本一らしい。最高ではないか。
しかもこの本屋の設計は安藤忠雄氏。これ以上ない舞台で、関西にこの場所があることに感謝した。
そして、大阪駅から歩いて本屋に向かう。すでにちょっとした高揚感がある。本というのは人と同じ感覚。言わば約200万人の著者と出会うイベント会場に自分は向かっているのだと思うと興奮して、一人でにやつきながら歩いていた。
朝10時過ぎ、お店の中に入る。
私の中では、本屋に入ったところから読書は始まっている。
1階から7階まで、下から順番にせめていくことにした。
1階で一番最初に自分の体温があがったのは、こんな本だった。
「産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ」
以前コーチングセッションで、とある方から、不妊治療をして子どもができないことが辛いと言うセッションがあった。
それもあって、思わず手にとった。
そこには、10年以上もの不妊治療、2度の流産、死産を経験した夫婦が、
養子縁組への葛藤と幸せな子育て奮闘が書かれている。
この時頭によぎった。
読書もコーチングと同じだなと。
(そもそも本が人と同じと言ってるいるのだから、そのとおりだ笑)
コーチングは、クライアントになりきり、クライアントの人生を代理体験できる。
それにより、人生が2倍も3倍も豊かになる感覚がある。
読書もその中の人物の人生を代理体験できる。
たとえストーリーが見にくく難しい本であっても、その奥にいる著者は透けてみて、著者の人生を代理体験ができる感覚がある。
この本を書くのに、どれだけの時間をかけ、どれだけの人が関わり、その背景にどれほど壮大な人生を歩んできたか。
そう思うと、自分の目の前に広がる壮大な200万冊の本を感じて、動けなくなった。
深呼吸して切り替え、再び動き始めた。そこから、私は手に取る際、リスペクトを込めて軽い会釈をしながら、本を手にとった。
普段全く出会わない色んな本との出会いを楽しみながら、2階に移動した。
再び空気感の変化を感じたのは海外文学のコーナーだった。
日本だけでも、こんなにも広がっているのに、それが海外まであるんだぁと改めて実感した。
地球の広さ、歴史の長さも一気に感じて、これが今この場所に一堂に集結していると思うと、
もはや自分は、四次元空間を縦横無尽に泳いでいる感覚になった。
すごいぞこの場所は・・・と思いながら、この空気感を感じながら、より一層高揚してきた。
そのまま2階は文庫コーナーに入った。
先程まで四次元空間を楽しんでいた私だが、一気に空気が重たくなった。
文庫はジャンル別ではなく出版社別なので、ここがまた1コーナー1コーナーが本屋という感覚になったからだ。
とここまで書いて、いかん。今このジャーナルを書きながら、すでに結構な時間がかかっている。笑
当初の目的は、自分の世界認識を広げるためであった。
そのことを書いておきたい。
関心領域(哲学・心理学・歴史)から離れると結局読まないので、関心領域からほどよく隣接していて、興味がそそられるものを探した。
【今まであまり読んだことがないジャンルで、興味があるもの】
・映画エッセイ
・イラスト
・美術書
・音楽書
・建築
・地政学
・天文学
・大人向け絵本
・物理
・数学
(統計だけshould感・・・)
中でも今回一番気に入ったのは大人向け絵本だ。
これはまた別途じっくり読んでジャーナルに書きたい。
気になる本を1冊ずつ選んでカゴにいれていき、1階のレジに戻ってきた。
5階から6階へあがるあたりのとき、長かった旅があと2フロアで終わるのかと思うと寂しい気持ちになっていたが、レジに並ぶとさらに寂しい気持ちになってきた。
しかし、自分のカゴを見ると、今までにないほど多様な本が入っている。
レジに並ぶ時間、改めてカゴに何が入っているか1つずつ見ていった。
まるで世界一周をした感覚で、本をみると、旅行写真を見ているかのようだった。
思えば今日はこの本屋たった1つ。
たった200万冊しかない。
本屋はまだまだあるし、本もまだまだある。
地球上に73億人もいし、未来まで考えれば、この世界が無限に広がっている。
今日は壮大な四次元空間を行き来した世界時空一周旅行だった。
今日のこの感覚を、日頃から大事に覚えておきたい。
今日のこの純粋さを忘れずにいたい。
2020年12月07日の日記より
2020年12月30日