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日記「あじわい」

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許せない人は誰か、テーマ固定でセッションを受けた。

許すは難しいテーマかもしれない。

パッと言われると昔の自分と比べて、すぐには思い浮かばなくなった。
ある程度、相手への共感や自己の相対化ができるようになったことも大きいのだろう。

許す許せないは、自分で決めていることで、その人を許すのではなく、厳密には許さないと決めている自分を許している感覚がある。自分が楽になれる。

私は誰を許したくないと思うだろうか。
許したくないではないが、悲しくなるのはある。

もう10年以上忘れていたが、ふと大学時代、お金を貸して返ってこないまま卒業した友人を思い出した。それをセッションテーマにさせてもらった。

友人は私に「お金を返さないと」ときっと思っていただろうが、まあいいかと思ったと思う。その気持ちが少し悲しい。

どうしてそれが悲しいのかと言われると、人への感謝、尊重、思いやりを大切にしていないからだと思う。

一方友人は、どういう事情があったのだろうと彼の心の中に迫る。
本当のところはどうだったのかは全くわからないが、何か世の中に対する不公平さ、理不尽さを感じた。

周囲は恵まれていて、どうして俺だけこんなに苦労しないといけないんだという嘆きが聞こえた。

何を求めているかというと、物質的な欲求が強い。
もっといい服をきたい、モテたい、いいもの食べたい。(大学生の時なので)

友人はそれが満たされたら、将来本当はどのように生きたいのだろう。

これも勝手な妄想になるのだが、自分が今までたくさん迷惑かけてきたから、それを返していきたいと思った。もう恩を返せない人がいるから、自分が今目の前で関わる家族や仕事なりでそれを返していきたい。

そう思った。

それ踏まえて、もう一度改めて友人のことを思うと、自分も何か貢献できた気持ちになった。

改めてその友人に何か伝えたいことありますか?と質問された。
特に何もない。この件は、私から些細な贈与。
私が発言した時点でそれは贈与ではなくなるから、大丈夫です。と答えた。

何か私の中で、悲しさが消えていった。

鬼滅の刃の鬼を思いやる炭治郎のようだった。

このセッションを行うにあたってポイントはいくつかあるのだが、1つあげるとすると、まずは自分の気持ちを尊重すること。

パースペクティブテイキングは、自分の気持ちを十分に尊重した後でないともつことはできない。

逆に言うと、自分の気持ちを尊重できたときにはじめて、自己の気持ちを脇に置くことができ、自分自身に対する関心を超越して、相手の立場にたってその人を知ることができる。

いずれにしても、セッションにおいて、自己の無意識や他者の気持ちにどこまで迫れるかというパースペクティブテイキングが重要で、許せないことほどなかなか取得できないものゆえに、セッションは有効になるし、コーチング受けることそのものがパースペクティブテイキングのトレーニングにもなると思う。

私自身も仕事柄だが、引き続き多くのセッションを受け続けたい。

2021年2月23日

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